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ヨーロッパの額縁 No.3



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【カルロ・マラッタ額、または、サルバトール・ローザ額】

 イタリア・バロックの画家カルロ・マラッタ(1625-1713)の名にちなんで付けられた新古典様式の額で、その起源はサルバトール・ローザ額に由来する。

グランド・ツアー10によってイギリスに持ち帰られ18世紀のイギリスで人気を博した。基本的に、金箔を水貼りしており、中央が窪み(スコティア部11)、

盛り上がった凸状の上端(うわば)と端先(はさき)のある

オジー・モールディング12(葱花線繰型)でできている






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【パラディアン額、またはケント額】

 パラディアン額は、ジョージ王朝時代のイギリスで人気を博した。

その作例は、今日、1718世紀の多くの素晴らしい、イギリス油彩画に嵌められたもので見る事が出来る。これらのパラディアン額は、当時、第一級の建築家ウィリアム・ケントによってデザインされ、ケント額として広く知られるようになった。

 これはケントのあらゆる設計に見られるように、16世紀のアンドレア・パッラーディオのウィトルウィウスの建築や、その追随者である17世紀のイニゴー・ジョーンズから、直接影響を受けている。そして広いフリーズのある平らなアーキトレーヴ・プロフィールに、彫りや砂加工が施され、突出した四隅のある建築的モールディングが特徴である。










【ルイ様式】

見事な彫りと金メッキされたフランス・バロックとロココの額縁は

5つの期間から成る。

① ルイ13世様式(1630-1643

② ルイ14世様式(1643-1715

③ 摂政様式   (1715-1723

④ ルイ15世様式(1723-1774

⑤ ルイ16世様式(1774-1792


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≪ルイ13世様式≫

凸状プロフィールと半円のトルス13部分をもつバロック様式。

連続した葉のパターンが複雑に彫られ、金箔が水貼りされている。



  N0.4へ続く




by johanesvermeer02 | 2018-11-09 21:49 | 額縁
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