2つの木地の完成  ー土曜日コースー

以前LAPISで販売した2つの額縁制作キットです。
2つの木地ができましたのでご紹介します。


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こちらはタベルナクル型額縁です。SFさんのオリジナルデザインです。

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こちらはATさん制作のフライボワイアン型ゴシック額縁です。
複雑なキットを作ったので組み上がるかが心配でしたが、
無事に組み上がって私としても一安心です。
これから下地塗り、金箔貼りまで挑戦は続きます。






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# by johanesvermeer02 | 2018-06-23 22:12 | Comments(0)

明暗法 (キアロスクーロ)その2  glazing and hattching (グレージングとハッチング)



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鉛筆からこれは木炭とコンテ鉛筆を使った明度表です。
木炭の部分の処理は木炭を薄く塗り、その上から擦筆で均一に撫でてゆきます。
これは油彩のglazingに近い表現です。
 glazingとは半透明なフィルムを重ねるように彩度や明度を落とさずに透明な塗料の色面を塗り重ねることで、絵具そのものの混色では得られない美しい混色効果が得られる技法です。
 混合技法などでは通常はhattchingが先で、glazingをその上から重ねますが、
ここでは逆にglazingを先にhattchingをその上から重ねるdessinに取り組んで行きます。
hattchingとglazingの効果を体験しながら進めてゆきます。
用紙は木炭紙です。背景が白いのでデッサンは暗いところを重ねて描き進めます。
ここでもリアルさを求めてゆくのではなく、画材と物質のその構成の確認が目的です。

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微妙なトーンを明度表に沿って円柱を描きます。
これからの作品の目的はリアルに描写するのではなく明暗の微妙なトーンを
段階的に捉えてゆく練習です。
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同様に瓶を描きます。
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更にモデル人形です。
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学生が白い石膏像を描くのはこの明暗法を身につけるためと言われています。
かつてイタリアやフランスのアカデミーではこの明暗法は線遠近法と共に
大事な学習項目でした。しかし印象派の登場で色彩に重きが置かれ始めて
この明暗法の重要性は軽んじられてきたのかもしれません。

明暗法と色彩学は共に大事ですがそのバランスが難しいのは言うまでもありません。
実はこの明暗法はdessinのみにとどまらず、水彩画やテンペラ画、油画などの作品描写に古典技法ではどこまでも深く関わってきます。


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今度はグレーのファブリアーノ紙にパステル鉛筆(白)にコンテ鉛筆(白)、そしてソフトパステル(白)に先ほどの木炭、コンテ鉛筆で明度表を作ります。
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これもグレーの紙に先ほどの表を適用します。
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ランプです。


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ハンカチ1
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ハンカチ2




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石膏デッサン1灰色の紙の地に明るさと暗さを推し進めます。
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石膏デッサン2です。
以上はグレーの用紙にモチーフを白と黒で8段階を表した練習作品です。


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この迫真の作品は
レオナルド・ダ・ヴィンチの
「座った人のための衣の習作」です。
灰色のキャンバスに筆と灰色のテンペラ画で描いたと言われています。
灰色の下地に白と黒のトーンの段階を無数にして表しています。



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これも同じくダ・ヴィンチの
「マギの礼拝」
木板に油画の下絵の段階の未完成の作品です。
作品の進め方がよく分かる作品です。
この段階ですでに迫真性というものを備えています。
明暗法は真っ先に眼に留まるというのがわかる気がします。














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# by johanesvermeer02 | 2018-02-25 16:44 | 教室 | Comments(0)

明暗法 (キアロスクーロ)その1 hattching (ハッチング)

イタリア語では「キアロスクーロ」と言われるこの言葉は描画する時に対象物の形態を観察して、対象物に対して当たる光が明部と暗部を醸し出す微妙な変化を捉えて立体感を表したり、画面構成上の効果を狙って用いる方法で、明確に段階化された明度で考え構成することで優れたアートに繋がるステップになります。
その1では最も明るい段階を紙の白さとして表します。描画材料は鉛筆です。
鉛筆にも幾つかの明暗を出す方法はありますが、今回はハッチング(hattching)です。hattingとは短い筆致を繰り返すことによって線を重ねてその多少により濃淡の階調を作り出すことをいいます。デッサンやドローイングの場合でも濃淡の階調を作り出し、その重なる部分は暗部へと向かって行きます。隙間のある独特なリズム感のある重なりの繰り返しによって美しい階調を作り出すことが出来ます。ここで示されている
鉛筆のhattingは1ストロークの長さを1cm程の長さに規定しているのは、やがて描くであろうテンペラ画の時に筆に含まれる絵具の量が限られているため、1ストロークの絵具が均等に伸びることが出来る長さに慣れるための練習でもあります。下はこれらを理解するために学んだ段階です。




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まず、このような明度のスケールを作成して対象物をこの明度に当てはめる練習をします。
これは鉛筆による6段階のhattching(線影)による明度表です。


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これからの作品の目的はリアルに描写するのではなく明暗の微妙なトーンを
段階的に捉えてゆく練習です。
布の場合はこのようになります。上は白い布で下は縞模様の布です。
縞の明るい部分と影の部分もそれぞれの明度を当てはめます。

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リンゴやバナナの固有色が有りますが、それもこの明度に当てはめます。

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同じhattchingの6段階で表した模写作品です。

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Ghirlandaioのテンペラ画Giovanna Tornabuoniですが、よく見ると隙間のあるhattchingが施されています。
ここまで無駄のない線影でかつ美しく感じさせる線を描くにはかなりの熟練が必要です。
テンペラ画の場合は更に色彩が複雑に絡んできます。







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# by johanesvermeer02 | 2018-01-08 00:28 | 教室 | Comments(0)

2018年 謹 賀 新 年 


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明けましておめでとうございます。

旧年中は様々な方々に支えられて本当に有難うございました。
今年はLAPISの玄関に小さな注連縄を飾らせていただきました。
どうかこの1年が皆様にとってより良き年となりますようお祈り致します。
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新たな年を迎え、この2018年もAtelier LAPISは5名のスタッフと37名の生徒さんと共に
まだまだ多くの未開拓部分もありますが、古典技法の追求を更に深め1人でも多くの方々に
その価値を広めたく努力をしてゆく所存です。
今年も宜しく御願い致します。

(このイラストはおそらく鏡などの額縁として使われたであろうと思われるドイツのカービング額の1部です。)




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# by johanesvermeer02 | 2018-01-01 23:09 | 生活 | Comments(0)

クリスマス リース

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いよいよアドベントになりました。
LAPISの玄関には今年は火曜日のKさんの手作りによるリースが飾られています。
赤いリボンと緑の葉の対比とベルが可愛らしく覗いています。
本物のもみの葉による香りが玄関にあふれています。
共にクリスマスを迎えましょう。

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# by johanesvermeer02 | 2017-12-04 20:16 | | Comments(0)